2018年12月30日日曜日

2018年のクソ写真を厳選して冊子をつくった


いよいよ今年もおしまいってことで,2018年に撮影した写真から自分にとっていい味でてるやつを選んで冊子をつくった.「しまうまプリント」のフォトブック作成 & 印刷サービスを利用してあっさりお手軽に編集して印刷を頼むとお安く仕上がった.

選んだのは「A5スクエアサイズ」48ページ.送料込みで600円ほどでできた.

今年の2月にミラーレス一眼のα6000(中古)を手に入れて飽きもせずにあれこれ撮った枚数は 12,000枚を超えていた.たぶん,まじめにカメラ趣味をしている人にとっては大した枚数じゃないんだと思うけど,けっこうな数にはちがいない.

とはいえ,めぼしいものはだいたい Instagram に放り込んでいたので,そこからさらにしぼりこんでいけばいい.

さて,それでは以下が選定した写真――とやろうと思ったけど Instagram から探してきて埋め込むのがめんどうなのでやっぱなし.


2018年12月3日月曜日

レン=ルイス近刊『我々を欺いた嘘』

経済学101でちょくちょく訳してるサイモン・レン=ルイスせんせいの新著 The Lies We Were Told(ブリストル大学出版局)の Kindle版が出ていたので買っておいた.いつ読めるんだ…冬休み?

章立てはこんな具合:
  • 序文(ポール・クルーグマン)
  • 導入
  • 第1章 イギリスの緊縮のマクロ経済学
  • 第2章 ユーロ圏
  • 第3章 緊縮の帰結
  • 第4章 2015年イギリス総選挙
  • 第5章 労働党の転換
  • 第6章 EU離脱
  • 第7章 メディア,経済学,ドナルド・トランプ当選
  • 第8章 経済学者と政策立案
  • 第9章 ネオリベラリズムから金権政治へ
  • 結語
ぱらぱらめくってみると,ブログ Mainly Macro の記事を再編集して「後記」(postscript) を書き加えてできあがってるようだ.

2018年11月30日金曜日

用例採取: "I'm switched on all the time"

換喩の事例:
"I never switch off – I’m switched on all the time, even when I’m asleep."(電源はぜったい落とさない――いつだって電源を入れてる.睡眠中もだ.)
(Distraction Trap)
スマートフォンをいつも手放さないという若者の話に出てくる一文だ.文脈から,ここで電源を落とさない・電源を入れっぱなしにしているモノはスマートフォンなのが明らかだけれど,この箇所では I'm switched on と受動態で当人 'I' が switch on の主語(被動者役割)になっている.


そんなに科学用語を「隠喩」として使いたいなら

いったん直喩で言ってみればどうか.

2018年11月28日水曜日

Bookmark: TBSラジオ,「スペシャルウィーク」をやめる

ラジオはテレビの視聴率にあたる「聴取率」を毎日測定していない。2カ月に1度、1週間を対象にし、各時間帯でどの番組を聴いていたか、というアンケートを行って算出され、この数字が番組編成や営業活動の参考にされる。TBSラジオは2001年8月から、この聴取率で業界トップを守っている。しかし、ネットでラジオ放送を聴けるサービス「radiko.jp(ラジコ)」が普及し、ここを通じての聴取者数はリアルタイムに局側が実数を把握できるという実態があるという。

こちらも:

用例採取: "a certain availability"(可算の捉え方に注意)

地味だけど,「おや」と思った例:
"Other people expect a certain availability from you on email." (Distraction Trap)
オックスフォード学習英語辞典を引くと,availability は不可算名詞と記載されている.一方,上記の例は明らかに "a ... availability" と可算用法になっている.ということは,不可算用法の場合とは語義が変わっているはずだ.不可算なら water(水)のようにぼんやりと境界のない物質のように捉え,可算なら a cat(猫)のようになんらかの境界があってひとつのまとまりをなすモノのように捉える,というのが定番だ.

Bookmark: なぜコロンビアは100万人ものベネズエラ人を迎え入れたか (Vox)

ニュース解説サイト Vox の現地取材シリーズ Borders がベネズエラのハイパーインフレによる生活難から国外に逃れる人々と,彼らを迎え入れるコロンビアの人々の様子を伝えている:

2018年11月26日月曜日

Bookmark: YouTube Music

「YouTube Music」は、なし崩しに「音楽再生の場」となっていたYouTubeをきちんとした音楽サービスへと変化させるための取り組みである


2014年11月、ソニーのIR関連イベントにて、当時同社音楽事業のトップであったマイケル・リントン氏は、「無料サービスで有料サービスと同じ売り上げを実現するには、7倍の再生量が必要」だと明かしている。
 全米レコード協会(RIAA)の調べでは、2018年上半期の場合、音楽関連事業の売り上げのうち75%がストリーミング・ミュージックからもたらされている。
 そして、有料サービスからの売り上げは、無料・広告ベースのサービスからの売り上げの「約6.9倍」となっていて、予測の正しさが裏付けられている。

2018年11月25日日曜日

Bookmark: 「戦争による死者の9割は市民――その統計はほんと?」(BBC)

BBC Radio4 のポッドキャスト More or Less: Behind the Stats の力作エピソード:


「戦争による死者の9割は市民」という主張はウプサラ大学(スウェーデン)の報告で強調されたものの,それを裏付ける証拠はほとんどないのだという.

お月様


三脚ないので,手持ちで撮影.200mm 望遠でもそこそこ撮れるものなんだなぁ.

2018年11月21日水曜日

睡眠大作戦

よく眠れないと気分も体調も最悪になるので,とにかく平均7時間の睡眠を確保すべくがんばってる.

2018年11月20日火曜日

G.レイコフ「遂行的従属節」(1984)

さっきの例文採取 "Maybe don't try to..." に関連して,大昔の論文を引っ張り出してみた.

用例採取: "Maybe Don’t Try to ..."

法副詞 maybe を命令文と組み合わせて用いている例.
"Maybe Don’t Try to Bend Your iPad Pro Like a Paperclip"(原文
類例を探してみると,けっこう出てくる: 



日本語で考えてみると,法副詞は命令文と相性がよくない:
  1. (*たぶん)クリップみたいに iPad Pro を曲げないこと
  2. (たぶん)クリップみたいに iPad Pro を曲げない方がいい.
上記の "Maybe don't ..." の命令文は,もしかすると意味的には「~しない方がいい」という平叙文に近い意味に解釈されるために,法副詞との組み合わせが容認されるのかもしれない.

追記レイコフの「遂行的従属節」を参照するとよさそうだ.

2018年11月19日月曜日

つねに開いておくウェブサイト,時間帯を限定するウェブサイト

ぼくが PC のブラウザでいつも開きっぱなしにしておくのはこういうページ:
  • Habitica(タスク管理)
  • Googleカレンダー
  • Google Keep(メモ)
  • Google Drive 

タスク管理ツールはどんなときでも作業を進めていく指針をくれるし,新しいタスクも随時これに追加していくわけで,当然のようにいつも開いている.ちなみに,習慣づくりやタスクの管理には Habitica だけを使っている.Todoist とか,他にもいいツールはあるんだろうけれど,いまのところ移行は考えていない.まして,複数のツールを使い分けようとは思わない: タスクも ToDoリストも,1カ所にまとめないとダメだ.

新しい用事ができたときや,やるべきことを具体的な日時をきめて自分に割り振るために,カレンダーはすぐに参照できた方がいい.あとで読むモノをメモしたりちょっとしたリマインダをかけたりするのには Google Keep が手頃

Google Drive はドキュメントやスプレッドシートをいじらないといけないことが多いので開きっぱなしにしてる.

逆に,開く時間帯を制限してるのはこういうページだ:
  • gメール / InBox 
  • Tweetdeck / Twitter

暇つぶしでしかない Twitter にかぎらず,メールやメッセージアプリを見るのは決まった時間帯に限定している.少なくとも,朝一番にいきなりメールチェックをはじめたりはしない.

用例採取: "Later this morning, I'm honored to be delivering ..."

これも進行形のネタ:
Later this morning, I'm honored to be delivering the keynote address at the Inman Real Estate Connect conference here in San Francisco (...)(このあと午前中に,ここサンフランシスコのインマン・リアル・エステート・コネクト・カンファレンスで光栄にもキーノートスピーチをさせてもらうことになっている.)
(Marlin Mann, "On Peanut Shells and Email Archiving," 43Foklders, Jul. 24, 2018.)

I'm honored to deliver ... でもよさそうなものだけれど,進行形で I'm honored to be delivering ... となっている.

やっぱり,will be V-ing と同様の「なりゆき」「予定」の意味を表す構文になっているように思う.だとすると,will にかぎらず,未来の意味 + 進行形という組み合わせで「なりゆき」「予定」(と呼ばれる意味)が生じることになる.

2018年11月17日土曜日

用例採取: "you can be doing your most difficult task"

この進行形がなんなのか,ぼくにはよくわからない:
"Organize your time so you can be doing your most difficult task at your most productive time."
(The Distraction Trap, p.76)

「時間を整理して,いちばん生産的な時間にいちばん難しいタスクができるようにしよう」ということなんだけれど,どうして 'so you can do ...' ではなく進行形なのか,ちょっとわからない.

法助動詞の will には,「なりゆき」を表す will be V-ing の構文がある.もしかすると,それとの類縁があるのかもしれない.

いまさらだけれど,法助動詞その他の要素と進行形との組み合わせには,一筋縄でいかない部分があるようだ.


追記: 同じく The Distraction Trap から同様の例を採取した:
I can be having a really great evening out, or even a quiet one at home, and my phone will flash up that I’ve got an email, or a text, and I’ll read it.

▼ 関連ネタ



気になった記事やふと浮かんだ疑問は Google Keep に飛ばして後回しにする

当たり前のことができてない大人による,馬鹿みたいな苦難のメモだよ.

2018年11月16日金曜日

Bookmark: これまでで最高の iPad pro, 所詮 iPad pro

というレビュー動画を MKBHD が公開してる


Gizmodo のレビュー記事も似たような趣旨だ:



「われわれとしては給付付き税額控除制度の導入を主張できない」

岩田規久男『日銀日記』(Kindle版,筑摩書房,2018年),2015年1月26日の記述から抜粋:
「(…)消費税は逆進的で所得再分配上は望ましい税ではない.それでもなお消費税増税を主張するのであれば,その逆進性を縮小するために給付付き税額控除制度を導入すべきだ(…)」と,新聞や通信社の記者と会うごとに述べている.この私の提案に対しては,私が話した記者に限れば,賛成が多い.しかし,彼らは異口同音に,「給付付き税額控除制度を導入すると,軽減税率は不要になり,新聞は軽減税率を受けられなくなるので,われわれとしては給付付き税額控除制度の導入を主張できない」という.

Bookmark: 生産性向上へのインセンティブ,それは…

就業者の2割を占めるパート・バイトの賃金上昇は、働く人々の生活水準向上や消費底上げなどプラスの側面が大きい。一方、企業や事業者は必要な人材を確保するためのコスト増を迫られる。自動化などを通じ生産性を高めなければ1000円を超す時給が常態化する時代を生き残れない。
吉野家ホールディングスは18年3~8月期連結決算で最終損益が8億5000万円の赤字(前年同期は13億円弱の黒字)になった。売上高は過去最高水準だったが、人件費が想定以上に膨らんだ。「未曽有の人手不足」(河村泰貴社長)への対策として、配膳などをセルフ式にして効率を高める新型店舗を来期から年100店ずつ増やしていく計画だ。
ファミリーマートは全国の従業員を対象に家電を割引販売して人材を確保する一方、業務の効率化を進める。商品の検品作業を廃止したほか商品を並べやすい陳列棚を導入。省力化で1店舗1日あたりの作業時間を最大3.5時間減らす効果を見込む。効率化へ向け、19年2月期の既存店の投資額を600億円超に倍増する。イオンもセルフレジの導入など自動化投資を拡大する。

この逆方向はどんなものだろう?
「日本人は(…)西洋の科学技術の設計をあらためて,自分たちの低賃金経済でコスト効率のよいものに仕立てた.製糸業に携わっていた商家の小野一族は,築地に製紙工場を建設する(…)使用したのはヨーロッパ製品に案を得た機械だったが(…)そうした機械は金属製ではなく木製で,動力は蒸気機関ではなくクランクを回す人力だった.このように西洋の科学技術を仕立て直すのは,「諏訪式繰糸機」にも見られるように日本で一般的に行われた(…).
こちらは,ブラッドフォード・デロング「明治維新:《ユートピアへの蝸牛の歩み:長い20世紀の経済史》抜粋」から引用.

オンライン授業というか文化講座というか

17時をすぎたので Twitter のフィードを眺めてたら,クルーグマンがオンライン授業の宣伝RT/ツイートをしてた:

用例採取:「某こそが大奥で密かに上様に毒を盛っていた張本人やもしれませぬぞ」

これも,話し手以外の視点から「やもしれない」を解釈しないといけない例:


(よしながふみ『大奥』15巻,p.101)

もちろん,話し手じしんは自分が「張本人」かどうかを知っているのだから,話し手が「やもしれない」と推測していたり張本人かどうかに確認がもてなかったりするのはない.

2018年11月15日木曜日

Bookmark: Vox動画「コルトレーン "Giant Steps" 解剖」

同じくニュースサイト Vox の音楽ネタシリーズ "Earworm" で,ジョン・コルトレーンの "Giant Steps" のヒミツを解説する動画を公開している:


ぼくは音楽がさっぱりダメな子なのでこれでお勉強するのじゃ.

Bookmark: Vox動画「ラーメンが刑務所で重宝されるワケ:お金そのものになるから」

ニュースサイト Vox の YouTube動画:
牢屋や収容所の貨幣ネタといえばタバコがすぐに思い出されるけれど,タバコが禁じられていることもあって,いまや即席ラーメンが刑務所の囚人たちのあいだでお金そのものになっているんだそうな.おもしろーい.

英語でよければ,ティム・ハーフォードの『覆面経済学者の逆襲』(未邦訳,2013年)の第6章でも,捕虜収容所をおそった「不況」を扱う中でタバコが貨幣になってた話を語っている.

2018年11月14日水曜日

VAIO A12 を見てきた

梅田まで出かけたついでに,ソニーストア大阪VAIO A12 を見てきた.とりあえず「スタビライザーフラップ」を自分で触って確かめてみたかったからだ:


――なるほどなるほど.

いや,フラップの動きを動画で見るだけならこっちの記事を見れば済むんだけども:

2018年11月12日月曜日

マイケル・スワン「言語教育について私が信じていること」

すぐれた英語文法・語法の解説書 Practical English Usage で知られるマイケル・スワンがそういう文章を書いている:



2018年11月9日金曜日

ピンカー「政治的正しさがトランプを当選させた面もある」(大意)

少し前のインタビューで,ピンカーがそういう話をしている.
  • "Steven Pinker on Sex Differences, Human Nature, and Identity Politics (Pt. 1)" The Rubin Reports (YouTube), March 3, 2018;28:05あたりから.

2018年11月8日木曜日

"biology" は「生物学」とはかぎらない

下記の文を考えてみよう:
"human behavior is the product both of human biology and human culture"
(Donald Brown, Human Universals)

これをついついこんな風に訳したくなるかもしれない:
「人間の行動は,人間の生物学と人間文化の両方の産物だ」
でも,ちょっと考えるとおかしい――「生物学」という学術分野が,人間行動を生み出すの?

てきとうな辞書を引けば,「生物学」とは別に「生体の仕組み」くらいの語義が解説されているのがわかる.たとえば,オックスフォード学習者向け英語辞典には,この2つがでてくる:
 the scientific study of the life and structure of plants and animals(植物や動物の生態や構造の科学的研究;「生物学」)
the way in which the body and cells of a living thing behave(生き物の身体や細胞のふるまい方;「生き物の仕組み」)
というわけで,さっきの英文は,こんな風に訳す方がマシだ:
「人間の行動は,人間の生体の仕組みと人間文化の両方の産物だ」
学問分野と(その分野で研究する)仕組みの多義性は他の単語でも見られる.たとえば economics がそうだ.

2018年11月6日火曜日

2018年11月5日月曜日

SurfaceGo 3週間後のメモ

マイクロソフトさまの SurfaceGo [Amazon] がほどよくコンパクトで USB type C からの充電もできてモバイル的には実にジョリーグッドな一品に思えてならずしばらく物欲を持て余していたわたくしであったが,このたび思い切って 128GB モデルの購入に踏み切ったのであった.

要点

  • すでにOffice付きでも 6万円前後で新品同然のものが出回っている.
  • キーボードの打ち心地はよく配列も標準的.
  • 大きめのタッチパッドはすばらしい.
  • ペンは「ペーパーライク」フィルムと併用すると鉛筆っぽい書き味になる.
  • 少なめのストレージは micro SDカードで補える.

2018年11月4日日曜日

2018秋アニメ

9月開始アニメもすでに4話~5話まで放送・配信されて,見たいものもそうでないものも分かってきた感じ.

2018年11月1日木曜日

ウェストン先生の『論証のルールブック』を7割ほど訳した

アンソニー・ウェストンせんせいのロングセラー『論証のルールブック』第5版をとある授業で学生さまに読んでもらうついでに訳している.いまのところ,第7章までは終わってる.あと,付論の「定義について」も訳してある.

  • 第1章 短い論証
  • 第2章 事例による論証
  • 第3章 類推による論証
  • 第4章 権威による論証
  • 第5章 原因についての論証
  • 第6章 演繹的な論証
  • 第7章 長文の論証
  • 第8章 論述文
  • 第9章 口頭で論証を述べる
  • 第10章 公開討論
  • 付論I: よくある誤謬
  • 付論II: 定義について
  • 参考資料(リソース)

古い第3版は翻訳書が出てる:

  • 『論理的に書くためのルールブック』(古草秀子=訳,PHP,2005年)

じゃあ第5版をわざわざ訳す意義はあるのかっていうと,それなりにあるとぼくは思ってる(ので訳してる).まず,新しい版で加えられた章がある.口頭発表のやり方や公開討論についての助言(第9章,第10章)がそれだ.また,本文もけっこう手が加えられている.あと,これは好みの部分も大きいけれど,古草先生の訳文は割とかたい文体にしてある.でも,ウェストン先生の語り口はもうちょっと軽妙だ.ぼくとしては,そういうスタイルを日本語でも活かした方がいい本になると思う.

ともあれ,いまのところどっかから翻訳書が出版される予定はないし,たぶんバカ売れするものでもない.それでも,長らく読まれてるだけのことはあるコンパクトな良書で,新規の訳書にも意義はあると思うんだけど――どんなものでしょうね?
 
追記: 旧版の訳者でもある古草先生の訳で第5版の翻訳書も出たYO! [Amazon]

通勤時間に写真散歩する

通勤はひたすら電車とバスで座りっぱなしなので,せめてその前に少し遠回りして散歩することにした.ポッドキャストを聞きつつ,てきとうにシャッターを切りながら歩く.

2018年10月29日月曜日

17時までTweetdeckを開かない

習慣・タスク管理アプリの Habitica に新しい「習慣」を加えた:「17時までTweetdeckを開かない」

2018年10月20日土曜日

クソ写真撮影はたのしい

ミラーレス一眼カメラの α6000(中古)に安いレンズをつけて遊んでる.初心者のぼくでもそれっぽい写真が撮れてたのしい.

what what

文法的にはなんにも異例なことはないごく普通の文だけど,戸惑う英語学習者さんもいるかな,と思った例:
Monmouth Coffee opened on Monmouth Street in London in 1978. It serves wonderful coffee and the queues often stretch out of the door. That is what makes what happened next so surprising. / What happened next was: nothing. Monmouth had few imitators, either upmarket or downmarket.
(Tim Harford, "Like great coffee, good ideas take time to percolate," Finantial Times, Feb. 2, 2018.) 
いちおう訳文を示しておくね:
マンモスコーヒーは1978年にマンモス通りに開店した.提供するコーヒーはすばらしく,行列がドアの外まであふれることもよくある.だからこそ,その後に起きたことはとても意外だった./ その後になにがおきたか:なにも起きなかったんだ.マンモスコーヒーを模倣する店はほとんどでなかった.高級市場,大衆市場,どちらでもだ.
こういう用例では,what 以下のフレーズが 'the thing(s) which ...' の名詞句と同等のものになっている (Michael Swan, Practical English Usage, 5th edition, Oxford University Press, 2016, p.236):

  • What she said made me angry. (主語)
  • I hope you're going to give me what I need. (目的語)
  • This is exactly what I wanted. (補語)
こういう what を「自由関係代名詞」という.
先行詞をそれ自身の中に含んでいる関係詞を複合関係詞 (compound relative) と言う.Huddleston & Pullum (2003) は,その意味で融合関係詞 (fused relative) と呼んでいる.生成文法では,先行詞がなくても存在できるという意味で,自由関係詞 (free relative) と呼ばれることが多い.(安藤貞雄『現代英文法講義』p.194; 太字強調は原文のもの)

Mouse without Bordersさまはすばらしいです

同一ネットワークにつながってる複数の Windows PC でマウス・キーボードを共有できる マイクロソフトさまのアプリ.


私物 PC 2台にインストールして利用してみた.マウスカーソルが一方のディスプレイからもう一方のディスプレイに動くスピードが実になめらかでびっくりした.PC 間でキーボードも共有されるので,デュアルディスプレイ環境がかんたんに用意できる.片方の PC に PDF 資料を出しておいて,もう片方の PC でカタカタと文章を打ったりといった作業がとてもやりやすい.

しかも,ディスプレイを縦向きにすると自動的に認識して画面をマタイでカーソルが移動したときの出現位置を調整してくれる.かしこい.

ただし,ファイルのドラッグ & ドロップはまだ限界があって,任意のフォルダからもう片方の PC の任意のフォルダにポンと放り込むことはできないようだ:デフォルトでは,デスクトップ上のMouseWithoutBordersフォルダにファイルのコピーがつくられる.

いままではロジクールの Flow で似たようなことはできていたけれど,当然ながら同社製品でしか利用できなかったし,なによりディスプレイ間の移動にわずかなラグがあって,いまひとつ快適じゃなかった.正直,ここまでなめらかに動作するとは思ってなかったよ.

2018年10月12日金曜日

2018年10月6日土曜日

「ソーカル事件ふたたび:フェミニズム哲学編」(記事のリストだけ掲載)

フェミニズム哲学などの学術誌に偽名で意図的にインチキ論文20本を投稿し,そのいくつかが査読をとおって掲載されるという,かつてのソーカル事件を彷彿とさせる一件があった.

あ,そこは過去時制でいいんだ?

シナリオを現在時制で語っているなかに,過去時制が入ってくるパターン:
When it pings, or beeps, your mobile physically pulls you away from what you were doing. You deal with the message, and maybe then become distracted by something else. Twenty minutes later you are finally back doing what you were doing. So the distraction cycle goes. (通知音や呼び出し音をならして,それまでやっていたことから携帯電話はキミを引き戻す.メッセージに対応すると,たぶん,そのあとなにか他のことに気をとられる.20分後,やっとキミはやっていたことに取りかかり直す.こうして気散じのサイクルはつづく.)
 過去形ではあるけれど,1つ目の "what you were doing" は,通知や呼び出しが鳴ったその瞬間に進行中のことだ.その点では,主節と同じく現在時制であってもよさそうではある.

抜粋:懐メロとは…

懐メロのラインというのは,その曲がヒットした年とは関係なく,ある日どこかのポイントでそのアーティストから心が離れる分岐点が訪れたときなんじゃないかという気がする.
(小寺信良「巻頭言」『金曜ランチビュッフェ』vol.190, 2018年9月28日, Amazon

2018年10月1日月曜日

2018年9月28日金曜日

「きっと」の easily

「かんたんに」という意味でおなじみの easily には,「きっと」「ぜったい」「もちろん」くらいの意味もある(「様相」を表す副詞でもあるわけだ).とはいえ,あまりノンフィクション本や記事・論文のたぐいではお目にかからないような気がする.動画を見ていたら「お,でてきたな」と気がついたので,メモ.

論証のルール #2: 自然な順序でアイディアを展開しよう

またウェストンせんせいの『論証のルール』(第5版)から:

2018年9月25日火曜日

用例採取: 「ユージン・スレッジが踊りたがるまで踊らないんだ」

これも "The Pacific" 10話から,これも固有名詞の面白い使い方(開始4030秒分あたり;訳は字幕をそのまま借用):
"If Mary catches us, She'll have me back inside dancing all night."(メアリー〔=新婚の妻〕に見つかればひと晩中ダンスだ)
"You see that? That's why I'm still a bachelor. I don't dance until Eugene sledge wants to dance."(だから僕は独身なんだ.踊りたい時にしか踊らない)
太字強調した箇所は,省略せずに訳せば「ユージン・スレッジが踊りたがるまでぼくは踊らないんだ」くらいになる.これのなにが面白いかというと,言ってる本人がユージン・スレッジだというところ.固有名詞をこんな風に使うと,話し手じしんを客観視するような視点が喚起されるようだ.

用例採取: The Mary Houston

HBO のドラマシリーズ "The Pacific" の10話を見てたら,久しぶりに定冠詞+固有名詞のパターンを耳にした(開始29分あたり;訳は字幕をそのまま引用):
"What do you remember about Mary Houston?"(メアリー・ヒューストンは?)
"Mary Houston?"(ヒューストン?)
"Yeah."
"The Mary Houston? Well, like everybody else in mobile, I was in love with Mary Houston."(あのメアリーか? みんなと同じで憧れてた)
"That's too bad for you. She's marrying me."(残念だな.俺と結婚する)
ちなみに Amazonさまのプライム会員なら "The Pacific" は Prime Video でタダで見られるYO.

2018年9月19日水曜日

S.ピンカーとH.バーバの議論(追記:ピンカーのみ抄訳)

スティーブン・ピンカーと,「ポストコロニアル理論」のホミ・バーバのあいだで書面で交わされた議論(9月22~23日に2人が参加するイベントがなんかあるらしい):
ピンカーの最初の返答では,進歩・発展に対して向けられがちな批判の問題点を例によって平易な文章で述べている.ちょっと訳してみよう:

藤津亮太氏インタビューが面白かった: 「配信はアニメのストーリーを変えるのか」

テック系ライターの小寺信良&西田宗千佳コンビがやってるメールマガジン『金曜ランチビュッフェ』に連載されたインタビュー記事「藤津亮太さんに聞く「配信はアニメのストーリーを変えるのか」」が面白かった.Amazon の kindle unlimited を利用していたら,無料で読める.

2018年9月18日火曜日

議論の「構図」でついついうっかり賛否を決め打ちしてしまう?

もしかしてそういう落とし穴があるかなと思った.あくまで「こういうケースもあるのかな」という当て推量でしかないよ.(強いて言えば,ぼく自身,身に覚えがあるといえばあるかな.)

「根本病」あるいは「根本原因論」

ピンカーせんせいの Enlightenment Now [Amazon] から抜粋:

メモ (Noah Smith vs. Paul Krugman)

クルーグマンがブログで経済学の現状について長文で述べている:

2018年9月17日月曜日

言い過ぎじゃない? だいじょうぶ?

與那覇潤「大学でいちばん大切なこと」(『B面の岩波新書』,2018年9月15日)という文章がTwitterのタイムラインで流れてきて,うっかり読んでしまった.

2018年9月14日金曜日

「定義論争意味ねえ」論

捜し物の1つをたまたま某先生がTwitterで訳書の方を抜粋してたので,原書で確認したYO:

2018年9月13日木曜日

定義のルール #2:「用語の意味が争点になったときは明瞭な事例から手をつけよう」

ウェストンせんせいの「定義」解説の続き(こちらも参照: #1 & #3; これで定義の箇所はぜんぶ訳しちった).
D2: 用語の意味が争点になったときは明瞭な事例から手をつけよう
たまに,用語の意味が争点になる場合もある.つまり,用語そのものの適切な適用をめぐってああだこうだと議論になる場合がある.そういうときには,たんに用語の意味をはっきりさせる案を出すだけでは足りない.もっと込み入った論証が必要になる.

「言語と基本的な想定を共有している者どうしにしか議論は成立しない」?

ちょっと調べ物をしていて,目当てのものは見つからなかったけど,別の箇所をなんとなく抜粋(拙訳):

2018年9月12日水曜日

定義のルール #1: 「用語の意味がはっきりしないときは,意味をつきとめよう」

昨日抜粋した「定義は論証の代わりにはならない」のついでに,ウェストン『論証のルールブック』から定義を解説してる他の箇所も少し訳してみよう:

定義のルール#3:「定義は論証の代わりにはならない」

アンソニー・ウェストンせんせいの『論証のルールブック』の付論では,定義の取り扱いを解説している.ちょっとだけ抜粋してみよう:

2018年9月11日火曜日

それにつけてもSurface Goのほしさよ

日本ではストレージ SSD 128GB モデルのお値段89,424円(税込)という価格設定.「じゃんぱら」をチェックしてみたら未使用品76,800円(9月10日現在)の他にも中古美品が少しだけど流れ始めてるみたい.まだだ…まだ買えんよ.

切ない思いで各所のレビューを眺めただけの8月だった.
そうこうするうちに,10月の Microsoft イベントで Surface Pro の新型が発表されそうな予感.

ツイート記録

近年めずらしく長めのツイートをしたので,このチラシの裏に記録.

一連のツイートの起点(残りはこれにぶらさがってる):
うっかりツイートの連鎖を途中で切ってしまった.以下のツイートからもうちょい続けている:
さらに続きの起点:

2018年9月6日木曜日

自然な日本語に訳す練習問題: the thought

Twitterでなんとなく書いたネタ.
例文は,ニュースサイト Vox の動画から拝借した.


どんな場面で出てきた文なのか見ておくと,言わんとしてることがわかりやすくなるはずだ.

続きを読む前に,自分なりに1つ訳例をつくってもらえるとうれしい.

(できました? では続きをどうぞ)

2018年9月3日月曜日

「さもなくば」の 'OR': 言外に補われる分岐がおもしろい

みなさんご存じのとおり,「~した方がいいぞ,そうしないとこうなるぞ」と伝えるときに,こういう風に OR を使える:

  • "We need some agreement about facts or the situation is hopeless." 「事実についてなんらかの合意が必要だ,さもないと状況は絶望的になる」 (Tim Harford)
  • "She had to have the operation, or she would die."「彼女は手術を受けるしかなかった,そうしないと死んでしまうのだ」 (Collins COBUILD)
  • "Turn the heat down or it'll burn." 「温度を下げろ,さもなくと燃えてしまうぞ」(Oxford Learner's Dictionary

(下線・太字は引用者によるもの)

この用法が面白いのは,下線を引いた箇所が表す状況が実現されなかった場合の帰結を OR 以下で示すところだ.これは,ふつうの OR とずいぶんちがう.たとえば2つ目の例文をもしも単純な選言「PあるいはQ」で解釈したなら,「彼女には手術を受けねばならなかったか,あるいは,彼女は死んでしまっただろう」という意味になる(余談ながらここで "she would have died" と仮定法過去完了にしていないところが興味深い:この言い方ができるのは,彼女が死ななかったのを知っている視点だ)――でも,もちろんここではそんなことを言おうとしてるわけじゃない.

「さもなくば」の意味で解釈すると,「彼女は手術を受けねばならなかった」のをふまえたうえで,実際に手術を受けるケースと受けないケースが暗黙に対比され,さらに,それぞれの帰結も対比される:「手術を受けなければ死んでしまう」(含意:手術を受ければ死なない).下のらくがき図解をみてほしい:



この場合,どちらか片方だけが成り立つ排他的関係になっているものが2ペアある.1つ目の排他的なペアは「手術を受けるか,受けないか」だ.そして,それぞれの帰結が2つ目の排他的なペア「死なないか,死ぬか」をなす.「さもなくば」の例文で言葉で明示している事態は,図のなかで二重線で示してある.手術を受けねばならなかったという事態と,死んでしまうという事態の2つだ.あとは,この例文を理解する際に暗黙に補われている.

2018年8月30日木曜日

はてなダイアリ終了

サヨナラして幾星霜,古巣のはてなダイアリがとうとう終わるそうな:
はてなダイアリ」から「はてなブログ」(こっちもとっくに使ってない)に記事をインポートしなきゃだめだなぁ.でも,いまはアクセス集中してて無理っぽい.

2018年6月26日火曜日

「麦茶はノンアルコール飲料か」

べつにこの疑問の答えをもちあわせているわけではないのであしからず.ともあれ,少なくとも *典型例* に当たらないのは間違いなさそうだ:

2018年4月30日月曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #15

前回はこちら

ピンカー「パラグラフなんて存在しないよ」

The Sense of Style から抜粋:
文章がツリーみたいな構造になってるのを理解すると,専門的でない散文を書くときに文章構造を視覚的にわかりやすくする数少ない仕掛けのひとつを理解しやすくなる.その仕掛けとは,段落の区切りだ.多くの文章作法本では,段落(パラグラフ)を組み立てる方法について詳しく指南している.でも,そういう指南は見当違いだ.なぜなら,段落なんてものはないからだ.文章のアウトラインを構成する部品も,ツリーの枝分かれも,文章の単位も,改行やインデントで区切られてる文のまとまりに一貫して対応してはいない.かわりに存在してるのは,段落の *区切り* だ:読者が立ち止まって一呼吸入れていま読み終えた内容をじっくり咀嚼してからまたすぐにどこから読み始めればいいかわかるように文章の切れ目を目で見えるようにしてるしおりなら,たしかに存在してる.
パラグラフの区切りは,たいてい,談話ツリーの枝分かれに対応している.談話 (discourse) とは,内容がひとまとまりをつくっている文章のことだ.だが,同じようにちょっと字下げした区切りが,いつでも同じ単位を区切っているとはかぎらない.ありとあらゆる大きさの枝分かれに,同じ区切りを使うしかない.その単位は,小はちょっとした余談の終わりから,大は全体要約の終わりまで,さまざまだ.ときに,読む気が失せるほど長々しいひとまとまりの文章に段落の区切りを入れて,読者の目から眠気を払って一休みさせてあげるタイミングを用意してあげた方がいい場合もある.学術系の書き手は,よく,そんなのは知ったことかとばかりにひたすら文字が単調に連なったかたまりを紙にベタッと塗りつける.逆に,新聞記者は学者の真逆をやることがある.読者の注意が続く時間がそれほど長くないのを気遣って,1~2文ていどの極小段落に文章をみじん切りにするんだ.不慣れな書き手は,こういう記者よりは学者に近い書き方になりやすい.段落の区切りを多用しすぎてしまうよりは,使わなすぎてしまう.いつでも,読者に慈悲深く,ショボショボしはじめた目を休めるタイミングをちょくちょく入れてあげる方がいい.とにかく,思考が展開していく途中で読者を力尽きさせないこと.直前の文を詳しく肉付けするわけでもなく,また,直前の文から導かれる内容でもないなら,その文で字下げして区切りを入れよう.
階層的に組織する認知的な利点はさまざまあるけれど,どんな文章でもツリー状に組織しなくてはいけないわけではない.手練れの書き手なら,複数の物語の筋道を交差させたり,わざと疑惑や驚きに誘導してみせたり,いろんな連想に読者を誘ったりして,読者を先へ先へと引っ張っていける.だが,文章の極小単位の組織を運任せにしていい書き手はいない. 
(2019-10-21追加) 

2018年4月26日木曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #12

前回はこちら

clip: クルーグマン「民主党は有権者の暮らし向きの問題に傾注すべきだ;そして現にそうしている!」

――という趣旨の連続ツイートをしている.次のツイートが起点だ:


2018年4月20日金曜日

バトラーせんせいのダジャレ論法の一例

ジュディス・バトラーせんせいの 1988年の論文の冒頭は,専門外のぼくにとって,この人の手法を垣間見ることのできる一節となっている:その手法とは,ダジャレだ.面白くもなんともないし,実は中身のとぼしい話でしかないものを,なにやら深い話をしているように思わせるのに言葉の多義によるダジャレを使っている.

「パフォーマンス」と「パフォーマティヴ」――どこでくっついたのやら

文学理論のガイドブックである大橋洋一=編『現代批評理論のすべて』(新書館,2006年)の用語解説では,「パフォーマティヴ」はもはや言語行為論とまったく関連づけられることなく,「パフォーマンス」と並べられている  (p.254) :


予備知識なくこれだけを読めば,「パフォーマティヴ」という用語はなんか演技や舞台・舞踏の「パフォーマンス」と似たような意味なんだろうと思うだろう.(もしかすると,担当した大貫氏もそう思っているのかもしれない.)

ところで,上記の用語解説では「実体的な身体は存在しない」とか「身体は物質化される」とか書かれているけれど,ぼくにはどういうことなのかまったくわからない.

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #09

グ(以下略).前回はこちら

2018年4月19日木曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #08

グリーン「言語行為」を(以下略)。前回はこちら

総称文:例外を許容するどころでない例

裸複数形の主語をもつ総称文は,「すべてのXは…」の全称命題の文とちがって,例外を許容する(例文と容認度の判定ともにアラン・クルーズ『言語における意味』§19.1.1.3 を参照):

2018年4月18日水曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #07

つづき.前回はこちら

オースティンの5分類は原文では箇条書きになっていないけれど,ここでは見やすくするために箇条書きにしてある.

オースティン抜粋:遂行的 vs. 事実主張的の区別の放棄を述べた箇所


What will not survive the transition, unless perhaps as a marginal limiting case, and hardly surprisingly because it gave trouble from the start, is the notion of the purity of performatives: this was essentially based upon a belief in the dichotomy of performatives and constatives, which we see has to be abandoned in favour of more general families of related and overlapping speech acts, which are just what we have now to attempt to classify.
(J.L.Austin, How To Do Things With Words, p.149)

他方,おそらく極端で極限的な事例として以外には,この理論の移行の後に生き残らないと思われるものの,さりとて最初から困難の原因であったためにさほど驚くべきこととも言えないことは,遂行的発言の純粋性という概念である.この概念は,行為遂行的と事実確認的という二分法に対する信頼に本質的に基づくものであったが,まさにこの二分法こそ,われわれがより一般的に,一群の,相互に連関し,相互に重複する言語行為というものを採用した結果放棄せざるを得ないことが理解されたものであり,かつ,この一群の言語行為こそわれわれがいまや分類にとりかからなければならないものなのである.
(J.L.オースティン『言語と行為』 p.251)

2018年4月17日火曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #06

ミッチェル・グリーン「言語行為」(スタンフォード哲学事典)をじわじわ訳読してるだけのポストだよ.(前回はこちら

2018年4月15日日曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #04

ミッチェル・グリーン「言語行為」をじわじわ訳読してるYO! 前回はこちら.今回はセクション 2.1 の後半.

何カ所か,「命題」を《 》で括ってないところは原文でも小文字の proposition になっております.

2018年4月14日土曜日

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #03

あまりすっきりした解説ではないけど,引き続きミッチェル・グリーンせんせいの「言語行為」を訳読していくYO!(前回はこちら

2018年4月12日木曜日

2018年4月11日水曜日

例文採集: "Ask me something I might know."

おなじみ4コマ漫画の Peanuts(角川書店版 vol.2: p.46; 谷川俊太郎=訳)から:

 

 

1コマ目の "Ask me something I might know"(「何か私の知ってそうなこときいてみて」)の might know は,もちろん話し手であるペパーミントパティから見て「知ってそう」なのではなくて,聞き手である先生から見て「知ってそうなこと」だと解釈されなきゃいけない.

スタンフォード哲学事典の「言語行為」を訳読しよう #01

『スタンフォード哲学事典』から,「言語行為」の項目をちょっとずつ訳していこう.やたら長いし,ちょいちょいめんどくさい言い回しをしてるので,訳し終わるまでけっこう時間がかかると思うけど,興味がある人はおつきあいくださいな.
  • 原文: Mitchell Green, "Speech Acts," Stanford Encyclopedia of Philosophy, 2007/2014. 

2018年4月3日火曜日

用例採取: "iPad iPad"(いかにもiPadらしいiPad)

名詞 N をふたつ並べることで「いかにもそれらしいN」を意味する例:
"If you just wanna do tablet stuff, if you wanna watch netflix, read books, browse the web and play games, then the regular old iPad iPad is gonna be way better for thus majority of people." ("Apple iPad (2018) Review," The Verge (YouTube); 開始3分37秒あたりから)
関連エントリ:




2018年3月31日土曜日

ノア・スミスせんせの日本観察:この15年で変わったことは?

ときおり日本にやってきている経済学者のノア・スミスが,2002年から日本で変わったことについて連続ツイートをしている.

2018年3月29日木曜日

2018年3月22日木曜日

ピンカー Enlightenment Now 抜粋: 格差悪影響論の難点について

スティーブン・ピンカーの Enlightment Now から、ウィルキンソン& ピケット『平等社会』が格差と人々の厚生に因果関係を認めるのは短絡だ、と指摘してる箇所を抜粋:

2018年3月20日火曜日

「信念残響:誤情報訂正の永続的効果」

ニュース解説サイトVox の動画「政治家はどうやってメディアを釣るか」で言及されてる論文:
アブストラクト:
Across three separate experiments, I find that exposure to negative political information continues to shape attitudes even after the information has been effectively discredited. I call these effects “belief echoes.” Results suggest that belief echoes can be created through an automatic or deliberative process. Belief echoes occur even when the misinformation is corrected immediately, the “gold standard” of journalistic fact-checking. The existence of belief echoes raises ethical concerns about journalists’ and fact-checking organizations’ efforts to publicly correct false claims.個別の3件の実験で、悪評を伝える政治的情報に触れると、その情報がのちに誤りだと明らかにされたあとにも人々の態度を形成しつづけることがわかった。こうした効果を本稿では「信念残響」(belief echo) と呼ぶ。研究結果からは、自動的なプロセスでも故意によるプロセスでも信念残響がつくりだされうることが示唆される。事実確認のジャーナリズムの鉄則どおりに誤情報がすぐに訂正された場合にも信念残響は生じる。信念残響が存在することから、虚偽の主張を公に訂正しようとするジャーナリストや事実確認組織の努力に関して、倫理的な懸念が提起される。

対決!二大ゾンビ政策: トランプ政権の重商主義と金本位制

トランプ政権が追及している2つの政策は、反証されてとっくに死んでいるはずなのにまだ世間を徘徊しているゾンビなだけじゃなく、そのゾンビどうしが矛盾していて相食む状況になっている――という文章をクルーグマンが書いている:
以下、ポイントだけ抜き出してメモする。とくに断らないかぎり、クルーグマンの言い分だ。

2018年3月15日木曜日

ピンカー "Enlightenment Now" 動画 (RSA)

今年2月の講演.ピンカーの一人しゃべりは前半25分ほどで,あとは質疑応答.



2018年3月13日火曜日

台所の流しをちょっとだけ使いやすくした

引っ越しの作業が一段落したところで,シンクの排水溝のフタを菊割れゴムからステンレス製のフタにとりかえた.ついでに,ゴミ受けも樹脂製品からステンレス製品に交換.


▲ 取り替え前後

菊割れゴムだと野菜クズなどが中途半端に引っかかるし,排水もときどきとどこおる.すると,シンクがすぐに汚くなってしまう.一方,ステンレス製のフタだと,たいていの野菜クズはここで止まるし,水はまずまずスムーズに流れ落ちてくれる.料理中うっかりにんじんなんかをころころ落としてしまっても,「ズボッ」と下のゴミ受けまで落ちないのもうれしい.

あとは,次の2つを続けておけば,シンクをまずまず清潔に保っておける:
  • フタにたまったクズは,洗い物のたびにゴミ箱に放り込む.
  • フタの下のゴミ受けは週に1回は取り出してクズを捨てて本体を洗う.
調理のさいに出るクズなどはこのステン皿とゴミ受けの2段構えにすべて任せて,三角コーナーは使わない.ここだけ死守すれば,ぬめりの防止や夏場のコバエ対策ができる.

2018年3月12日月曜日

「科学は葬式のたびに進歩する」を研究したワーキングペーパー

「科学は葬式のたびに進歩する」というのは、マックス・プランクの有名な警句だ。人間、どうしても自分がよくなじんで知っているアイディアにしばられがちだ。それに、歳を重ねると、新規なアイディアを受け入れるのに前向きでなくなる。すると、科学分野の重鎮が死去してようやく新世代のアイディアが日の目をみる、ということになりやすい――というお話は直感としてはよくわかる。でも、それってほんとなんだろうか?

全米経済研究所 (NBER) のワーキングペーパーが、まさにその問いを検討している。論文本体を要約したダイジェスト記事はこちら (via Tim Harford) : 
ここで紹介されている研究によると、答えは「イエス」――スター科学者が早死にすると、その人の共同研究者たちによる研究活動は減少する一方で、分野外の研究者たちが新しいアイディアをその分野にもちこんで、それまでの問いに新しい知見をもたらすケースが増加するらしい。

ダイジェスト記事の翻訳を「経済学101」に載せようと思っていて、いま許諾について未確認のため保留中掲載したYO! 

この研究に言及してるティム・ハーフォードのコラムもおもしろいので一読をおすすめしたい: 

2018年3月11日日曜日

objectの多義によるダジャレ論法の候補を想像してみる

一連の論述のなかで、同じ言葉を使いながら断りなくキーワードの意味をずらしていくと、あたかも一貫しているかのように見えるが途中で根拠のない飛躍が生まれてしまう。こういう単語の多義を暗黙に切り替える論述を「ダジャレ論法」と呼ぶことにしよう。

言い間違いと打ち間違いの大きな違い?

Language Log “Slips of the fingers vs. slips of the tongue” から。

タイピングでの打ち間違いと、音声言語の言い間違いにはおもしろいちがいがあるそうな:
(…)言葉の言い間違いでとりわけ際立つ事実の1つは、統語範疇規則にしたがうという点だ。ある単語が誤って別の単語と入れ替わってしまうとき、たいてい、言わんとしていた単語と入れ代わった単語は同じ統語範疇に属しているのだ。名詞は名詞と入れ替わり、動詞は動詞と入れ替わる、という具合に同じ範疇で入れ替わる。
(Gary Dell, “Speaking and Misspeaking,” ch.7 in Introduction to Cognitive Science: Langauge, 1955; Language Log から孫引き)

一方、タイピングでは、統語範疇の異なる言葉に入れ替わる誤りがよく生じるとのこと(直感的にはたしかにそうだなと思うものの、上記のポストではいくつかの具体例以上の根拠は示されていない)。

Language Log のポストでは、Lieberman が「〔あくまで自然言語である〕手話の誤りは音声言語の言い間違いに近いだろう」とコメントしている。



2018年3月8日木曜日

冠詞の対比例: 「iPadは a-コンピュータを置き換えられても the-コンピュータは置き換えられない」

今日の例文採取:
The iPad can replace a computer, just not the computer.
(“I've tried to figure out why Apple thinks an iPad can replace your computer, and I've finally cracked it,” Business Insider, Jun 27, 2017)
だいたいこういう文脈:「職場で支給されている PC を使いつつ、自宅ではとくにPCを使わない人やそもそもそんなに生産的なことをやらない人たちにとっては iPad で事足りるだろうから、そういう人にとっては iPad は PC の代替になるだろうね」――ここでの a computer はそういう限定的な用途での PC で、the computer はもっと生産的な(いくらか高度な)用途での PC という意味だろう。こういうときにも定冠詞と不定冠詞を対比させて使うことがあるんだな、と思って採取。

2018年2月28日水曜日

Habitica でまたレベル 100 に到達した


なんだかんだでタスク管理アプリ Habitica は飽きずにずっとつづけている.正確に言うと,ゲーム要素はとっくにどうでもよくなっているのだけれど,習慣・タスク管理そのものが習慣になったおかげで,日々,ちまちまとタスクをつぶしつづけている.おかげで,去年の9月にレベル100に到達してレベル1から再スタートしたものつかの間,またしてもレベル100に到達してしまった.

▼ 関連ポスト:

2018年2月20日火曜日

「ここで待ってもバスは来ませんよ」: 譲歩の if

日本語では「ここで待っても」と言うのが自然な場面で,必ずしも even if が適切になるとはかぎらないらしい:
If you wait here, the bus won't pick you up. But if you wait at that bus stop over there, it will.
(この状況で,#Even if you wait here, the bus won't pick you up.)
(藤井 2002 の例文; 田中 2005: 24 から孫引き)


  • 藤井聖子 (2002). 「所謂「逆条件」のカテゴリー化をめぐって」生越直樹(編)『シリーズ言語科学4 対照言語学』249-280. 東京大学出版会.
  • 田中廣明 (2005). 「even if 再考」『関西外国語大学 研究論集』第82号(2005年8月).

用例抜粋: before

P before Q で「Qの前にP」というより,「Pのあとに(ようやく)Q」くらいに訳した方がおさまりがよい例:
The GMA and the NAFC couldn't agree, and the meeting broke up in frustration. Years of careful diplomacy - and innumerable committees, subcommittees and ad hoc committees - were required before, finally, the US grocery industry agreed upon a standard for the Universal Product Code, or UPC.
「食料雑貨製造業協会 (GMA) と全米食品チェーン連盟 (NAFC) は合意できず,会合はいらだちを募らせるだけの結果となった.何年にもわたってこまかい交渉を続けて――数え切れないほどの委員会,小委員会,さらに臨時委員会を開いて――ようやく,アメリカの食料雑貨産業は共通商品コード UPC の標準で合意できた.」
(Tim Harford, 50 Things That Made the Modern Economy; 太字協調は引用者によるもの)

解釈に迷った if条件節

こういう例:
If Keynes' original readers found those worries were misplaced, today there is concern that these gloomy predictions may soon come true (...)
「ケインズがこれを執筆した当時の読者たちは「そんな心配は見当はずれだ」と思ったかもしれないが、今日では、こうした陰気な予測がすぐにも実現するかもしれないという懸念がうまれている」
(Daron Acemoglu & Pascual Restrepo, “Robots and jobs: Evidence from the US,” VoxEU, April 10, 2017)
譲歩用法で訳しておいた.

用例抜粋: 固有名詞の可算用法

これは割とありきたりな例:
Why is Elton John worth a hundred Elizabeth Billingtons?
文脈:イギリス最高のソプラノ歌手と言われたエリザベス・ビリントンの収入がエルトン・ジョンの1パーセント程度でしかないという話に続けて――「どうしてエルトン・ジョンはエリザベス・ビリントン100人分の値打ちがあるんだろう?」(Tim Harford, 50 Things That Made the Modern Economy)
この例は複数形 a hundred Elizabeth Billingtons が伝えているのは,彼女の収入の100人分という意味で,固有名詞が指す人物とその収入という換喩の関係になっている.

2018年2月16日金曜日

want to be V-ing: 例文採取

おおよその意味はもちろんわかるけれど、なんでここに進行形が使われるのか、そしてどういう意味を進行形が寄与しているのか、正直ぼくにはよくわからない:
If you’ve been a Spotify user but really want to be getting the most out of your HomePod, you’ll find yourself firing up iTunes and making new playlists like it’s fucking 2006 all over again. ((“HomePod Is the Ultimate Apple Product—in a Bad Way”)
Spotify ユーザーだけどぜひとも HomePod を最大限に活用したいという人は、iTunes を立ち上げて2006年のクソ大昔みたいにプレイリストをそっくり新しくつくりなおすハメになってしまう。
この2つのちがいはなんだろう?

  • ... want to be getting the most out of ...
  • ... want to get the most out of ...

類例はちょくちょく見かける。

2018年2月15日木曜日

2018年2月14日水曜日

遠い目になって歩く大阪日本橋

大阪日本橋「でんでんタウン堺筋を南に向かって歩く.歩道に面した地上階の入れ替わりと対照的に,上層はかつての電気街の面影を残してる.

2018年1月21日日曜日

ピンカーのレイコフ本書評: 抜粋

むかしむかし,言語学者で「概念隠喩」研究のパイオニアとして広く知られるジョージ・レイコフが,アメリカ民主党ひいては進歩派を応援しようと,自分のこれまでの研究を応用した助言を本にまとめて世に問うたことがあった.

  • Don't Think of an Elephant: Know Your Values and Frame the Debate. Chelsea Green Publishing, 2004.
  • Whose Freedom?: The Battle over America's Most Important Idea. Farrar, Straus and Giroux, 2006. 
レイコフはいまでも政治的な発言・提言を続けているようだ

2018年1月20日土曜日

でかいスマートフォンをどう持ち運ぼう: waistrap の "Slipin"

いま使ってる Xperia XZ Premium が 5.5 インチな上にベゼルも太いおかげで,ポケットに入れるとちょっと邪魔くさい.

ソニーCEO「次のパラダイムシフトに備えるためにスマホ続けるね」(大意)

――というインタビューが英語圏のテック系ブログで話題になっていた(グーグル先生が「これ興味あるでしょー?」ってわざわざサジェストしてくださる).

2018年1月13日土曜日

スマートフォンのカメラもよくなりましたなぁ

えっとね,ただの日記です.読んでも得るものはないよ.

スマートフォンを Xperia XZ Premium に乗り換えてうきうきしながら使ってる.いままで使ってた Huawei P9 は カーチャン J( 'ー`)し にゆずった.

P9 はデュアルレンズが売り物で,ソフトウェアの処理でボケの効果を出せるのがなかなか楽しかった.

▲ Huawei P9 で撮影(背景をモノクロにする効果を使用)

Xperia XZ premium は,正直なところそんなにカメラ性能は高評価ではない.各種レビューでカメラが褒められているのは,たいてい iPhone X だのグーグルの Pixel2 だのサムスンの Galaxy S8 だので,XZP は名前すら挙がらない機種だ(参考: コレとかコレとかコレとか).

とはいえ,2017年のハイエンドだけあって,カメラ性能は十分にすぐれている.

背景のボケもわるくないし――

▲ Xperia XZ premium で撮影(トリミング)

素人目には,彩度もわるくないように思える:

2018年1月5日金曜日

用例メモ:「おきれいだったねぇ」の曖昧性

ラジオを聞いていたら、こういうやりとりがあった:
A1「で、あともうひとりは、原田知世ですよ。」
B1「原田知世さんおきれいだったねぇ〜」
A2「いや、いまもきれいですよ」
B2「いや、ちがうんすよ。ゲストきたんすよ」
(「伊集院光とラジオと」TBSラジオ、2018年1月4日放送分)

2018年1月1日月曜日

NPR: 自腹で文具を与える教員たち

「ナショナル・パブリック・ラジオ」で、生徒・学生がつかう鉛筆だのノートだのティッシュだのをアメリカの教員たちはじぶんのお金で買い与えているというおはなし。


現在のアメリカの税制では教員に年250ドルの税額控除が認められていて、今回の税制改革でもこの部分は削除されずにすんでいるとのこと。

で、実際のところ教員たちが生徒の文具その他のために切っている身銭はおいくらくらいなんだろう? NPR によれば、250ドル以上だそうだ。

といっても、系統的な調査ではなく、いろんな教員たちから寄せられたツイートを紹介しているだけなんだけど。

No matter the class, though, teachers in high-poverty schools often find themselves digging even deeper into their own pockets — to buy extra food for their students, as Lyke mentioned, and clothing.だが、どの教科を担当しているにせよ、貧困率の高い学校の教員たちはさらにぐさぐさ自腹を切っている――〔自宅ではろくに食えていない〕生徒に食べ物を買ったり衣服を買ったり。