2020年8月26日水曜日

新刊メモ: プラックローズ&リンゼイ『シニカルな理論たち』(Cynical Theories)

  • Helen Pluckrose & James A. Lindsay, Cynical Theories: How Activist Scholarship Made Everything about Race, Gender, and Identity—and Why This Harms Everybody. Pitchstone Publishing, 2020. [Kindle]

著者紹介によると,プラックローズは著作家で Areo Magazine ってやつの編集者だそうで,もともと人文学をやってたけれどそこから遠ざかったらしい.リンゼイは数学者 (Ph.D) で,New Discourse ってウェブサイトをやってる.この2人は,以前,ソーカル事件と似たトリックを仕掛けたメンバーでもある.

本文はこんな構成になってる:

  • 序論
  • 第1章: ポストモダニズム:知識と権力の革命
  • 第2章: ポストモダニズムの応用編: 抑圧をリアルなものにする
  • 第3章: ポスト植民地理論: 西洋と脱構築して他者を救う
  • 第4章: クイア理論: ふつうからの自由
  • 第5章: 批判的人種理論と交差性: 人種差別を終わらせるべくいたるところに人種差別を見出す
  • 第6章: フェミニズムとジェンダー研究: 洗練としての単純化
  • 第7章: 障害・肥満研究: 支援グループのアイデンティティ《理論》
  • 第8章: 《社会正義》の学術と思想: 《社会正義》に合わせた真実
  • 第9章: 《社会正義》の実践編: いつでも書類上では《理論》はすばらしい
  • 第10章: 《社会正義》イデオロギーへの代案: アイデンティティ政治ぬきの自由主義