テック系 YouTuber のMKBHD せんせいが,このあたりのごく基本的なことをあらためて解説してる:
おもしろいのは,Essential Phone や Galaxy S8 / Note 8 などのハイエンド機種だけでなく200ドル台のお安い機種ですらベゼルなしに向かう傾向がでている点だ.MKBHD せんせいも動画で言及している中国 Doogee の製品がその一例で,画像のとおり,上端と左右のベゼルをかなり狭くできている(参考:Forbes のレビュー記事):
▲ Doogee の200ドルスマートフォン. |
ベゼルレスにする利点は,画面を大きくする一方で本体サイズを小さくできる点にある.これはべつにスマートフォンにかぎったことではなく,ノートPC でも Dell の XPS13 に代表されるように狭額縁でディスプレイサイズの確保と本体サイズのコンパクト化がすすんでいる.
なぜかベゼルレス競争に向かわない Xperia XZシリーズ
奇妙なことに,ソニー Xperia シリーズの上位機種は,この傾向に追従していない.XZ Premium も,先日の IFA で発表された XZ1 も,上下のベゼルがとても太いのにくわえて,左右のベゼルも今時のハイエンド機種とは思えないほど太い.▲ Xperia XZ1 |
一方,廉価版機種の Xperia XA1 では少なくとも左右をほぼベゼルレスにしている:
▲ Xperia XA1: 上下ベゼルは太いけど左右はかなり狭い |
どうしてハイエンド機種でああいう風になっているのか,なにか技術的な事情があるのか,素人なりに気になる.
画面縦横比の変化
スマートフォンや PC のディスプレイについて,もうひとつ面白い傾向を西田宗千佳さんが指摘している:画面の縦横比の変化だ.
- 西田宗千佳「スマホでもPCでも変わる画面の「縦横比」」(週刊GetNavi,2017年8月30日)
- 西田宗千佳「PCの「脱16:10」はゲームから広がった」(週刊GetNavi,2017年8月31日)
この記事で指摘しているのは,これまでテレビの 16:9 を踏襲していたスマートフォンや PC のディスプレイが,それぞれちがった比率に変わってきていること,そして,ハイエンド機種では量産体制によるコストダウンではなく「付加価値があるものを適切な量産性で実現」する傾向にあることだ.
映画を見るならたしかに 16:9 でよいけれど,そうじゃなくて電子書籍で本や漫画を読んだりウェブページを閲覧したり文章を書いたりするなら,やたら横幅があっても使いにくく,縦方向がある程度あったほうが便利だ.Apple iPad はずっと 3:2 だったし,Microsoft の Surface シリーズは 4:3 や 3:2 の縦横比を採用している.
一方,スマートフォンでは,ハイエンド機種で 18:9 という縦長な縦横比に近づく動きが見られるという:
スマホにおいては、大型画面のハイエンド機で「16:9」離れが加速している。サムスンの「Galaxy S8」シリーズは「18・5:9」を採用している。これは、画面サイズを大きくしつつ、本体の横幅を狭くし、持ちやすくするためである。ジャパンディスプレイは経営方針説明会にて「ハイエンドスマートフォンのディスプレイは、急速に16:9から18:9に移行している」(同社・東入來信博社長)としており、サムスン以外のスマホも、ハイエンドでは16:9以外になる可能性が高い。本記事を執筆している8月半ば段階では噂に過ぎないが、次世代iPhoneも、ハイエンド機種にて18:9のディスプレイを採用する……と見られている。
(すでに既知かもしれませんが)Xperiaのハイエンドが左右ベゼルすら大きいのは、たしか指紋認証がサイドに仕込まれてるからという話だったと思いますね。上下についてはわからないというかそこでの競争にまだのれないんだとは思いますが。
返信削除(一応左右ベゼルが太い理由は去年ソニーの人が指紋認証によるものってののソースです)
返信削除http://www.xperiablog.net/2016/05/16/the-reason-why-xperia-x-has-thicker-bezels-than-the-xperia-xa/
ありがとうございます.言われてみればそうですね.Xperia は Z3 を使ったのを最後にごぶさたしているのですが,サイドに指紋認証があるのは便利そうだし背面がきれいでかっこいいとは思うものの,左右ベゼルとの兼ね合いがあるとするとデザイン面であっちを立てればこっちが立たずなんですね…
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