2013年2月2日土曜日

クルーグマンのブログから:ブッシュ時代と比較して見る「財政緊縮の意味」

クルーグマンのブログで,ブッシュ時代と今回の「大不況」で政府支出を比較している:

Paul Krugman, "Our Incredible Shrinking Government," The Conscience of a Liberal, February 1, 2013.

政府による財・サービスの購入が減少したことが,景気回復を遅らせるのに一役買っていると述べて,次のグラフを示している:

(政府の消費・投資額.景気後退以前を100とした推移.)


ブッシュ時代の景気後退(青線)と今回の「大不況」(赤線)の比較.景気後退がはじまる前の水準を100として,四半期ごとの数字をプロットしている.景気後退がはじまって第10四半期に,赤線が下がり始めるのが緊縮への転換だ.クルーグマンは「前例のない財政緊縮」("unprecedented fiscal austerity") と形容している.

では,この緊縮でなにがもたらされたとクルーグマンは考えているんだろう? この緊縮がなくて,ブッシュ時代と同じように財政支出を行っていたら,どうなっていたんだろうか?

政府による消費・投資はおよそ3兆ドルだ.これがブッシュ時代と同じように今回も伸びていれば,12パーセント(3600億ドル)高くなっていただろう.乗数が1より大きいことを踏まえれば――これはIMFその他が目下の状況で妥当だと考える数字―― GDP がさらに3パーセント多くなり,4500億ドル増えていたはずってことになる.そして,失業率は現状より 1.5 ポイント低くなっていただろう.
(Government consumption and investment is about $3 trillion; if it had grown as fast this time as it did in the Bush years, it would be 12 percent, or $360 billion, higher. Given a multiplier of more than one, which is what the IMF among others now thinks reasonable under current conditions, that ends up meaning GDP something like $450 billion higher, which is 3 percent — and an unemployment rate 1.5 points lower.) 

クルーグマンの結び:
「これは政策の大失敗だ (policy disaster)」





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