以下,例によって,かんたんに概要を見ておきましょう.翻訳じゃないので,注意してください.
概要
[1] 右派が展開してる批判は,オバマがやってるのは「石炭に対する戦争」だ,これは雇用を破壊するぞ,というもの.この言い分は半分だけ正しい.温暖化対策には必ず温暖化ガス排出削減が関わるのは間違いないので,そこはある程度まで正しい.でも,それで雇用が破壊されるわけじゃない.[2] オバマは,火力発電からの炭素排出に制限を課そうと意図している.火力発電所は,排出の約40%を占めるとのこと.発電所からの排出を規制するのは,二酸化物や水銀など汚染物質ですでにやっていることで,原則として,二酸化炭素排出を規制するのは,真新しい過激なことじゃない.それに,これは新たな生産設備に投資して旧来設備を処分することを促す.
[3] たしかにこれは電気料金の値上げにつながるだろう.でも,札付きの連中が吹聴してるほどの値上げにはならない.実際,ここでは奇妙な逆転が起きている――右派は決まって民間部門がどんなことにも対応できると言い立てるのに,新しい環境規制への対応となると,民間部門があっさり降参してしまうと言っているのだから.実際の歴史では,民間部門は環境規制にうまく対応してきた.オゾン層保護や酸性減少に見られるように,一般に民間部門は安上がりな方法で排出削減できる.
[4] さて,それじゃあ今回の規制は雇用を破壊するの?――んなことないよ.コストも生産能力不足も,いまの景気低迷の理由じゃないもの.
[5] それに,環境対策はプラスの効果をもちうる.電気事業が,新規制に対応すべく,既存の発電所を閉鎖し新しい低排出の設備に投資することに決めたとしよう.すると,そこに支出の増加がおこる.で,支出の増加こそ,いまぼくらの経済が必要としてることだ.
[7] もちろん,実際にそうなるかはよくわからない.オバマがこのイニシアティブをやり抜くのかどうか,疑問視する声もある.自分としては,やりぬいてくれることを願うしかない.
[8] オバマはスピーチの終盤でこう言った:「投資し,処分しましょう.しっかりした環境対策と経済成長に矛盾なんてないということを,みんなに思いおこさせましょう」――普通なら,こういうのはどっちをとるかの現実的な厳しい選択から逃げる言葉だと聞き流すところかもしれない.でも,今回は,まっとうな良識だ.ぼくらは新しいエネルギー源に投資し,旧来設備を処分し,経済をいっそう強くできる.やろうじゃないの.
今日の英単語
- fulminate: If you fulminate against someone or something, you criticize them angrily. (FORMAL) [Cobuild]
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