スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

注目

小さな調べ物:ケイト・マン先生がピンカー先生の反フェミニズム的立場を詳しく教えてくれると聞いて

スティーブン・ピンカーをアメリカ言語学会の「フェロー」(傑出した業績をもつ研究者その他が選ばれる)およびメディア専門家から除名すべきだという公開書簡が出て,Twitter でも少し話題になった.(追記: shorebirdさんが日本語でまとめている
で,そうしたツイートのひとつに,ケイト・マン『ひれふせ,女たち』にピンカーの「反フェミニズム的立場」が詳しく書かれているというものがあった.ぼくはピンカーの著作のファンではあるけれど,べつに彼のあらゆる言動を追いかけてるわけじゃないし,なにかけしからんことでも言っていたんだろうかと,興味を覚えた.
とはいえ,訳書はお値段が高いし近所の図書館では利用できない様子だったので,とりあえず原書 Down Girlだけを参照してみると,本文で1箇所,脚註で1箇所,ピンカーについてまとまって述べた文章がある.残念ながら,どちらの箇所でもとくに詳しい情報はえられなかった.それどころか,ピンカーに不利な印象にまちがって誘導しようとしているところもあって,困惑してしまった.
ここでは,本文での言及をとりあげよう.その箇所からわかるピンカーの「反フェミニズム的立場」はどんなものだろうか.
本文でピンカーに言及しているのは,2014年におきたロジャー・エリオットの乱射事件が「女性嫌悪」によるものだったのかを論じているセクションだ.あれは女性嫌悪によるものだ,いや違う,という議論が応酬されたのを短く紹介したあと,著者のケイト・マンはこんな風に書いている(拙訳;強調は引用者によるもの): (…)同じ日に,ローリー・ペニー (2014) が『ニューステイツマン』でこう異論を唱えた.「白人男性によるあらゆるテロ行為に言い訳がつけられて大目に見られてきたのと同様に,このところ,極度の女性嫌悪もこうした言い訳がつけられてきた――「あれは異常者によるものだ」「たまたま狂人がやったことだ」「本物の男がやったことじゃない」.なぜ,パターンが存在していることを私たちは否認しているのだろうか?」
スティーブン・ピンカーが,このペニーの問いに答えているらしきことを言った――ぶっきらぼうな発言とはいえ,とにかく言ったにはちがいない.ピンカーは直後にこうツイートしている:「UCSB〔カリフォルニア大学サンタバーバラ校〕の殺人事件は女性に対する憎悪のパターンに該当するという考えは…

最新の投稿

「公正と公開討議についての書簡」

用例採取: 定冠詞 + 固有名詞の事例

日本語と英語のちがいについての,ありがちな観察の一例(丸山 & 加藤 1997)

ミラーせんせいの「道徳的美徳の性淘汰」を訳読しようかな

とある日のツイッター:「消費する」のふしぎな用法

「激烈些末のツーステップ」

用例採取: "a younger, more hopeful you who you no longer are"

用例採取: "the Ronald Reagan"

マクファーレン「評価文脈相対主義」を訳読してみよう #06

マクファーレン「評価文脈相対主義」を訳読してみよう #05