大型の支援策とインフラ投資案が実施されるアメリカでは,インフレ率がどうなるか論議されている(少なくともマクロ経済学界隈では).
支援策・インフラ投資をおおむね支持してるクルーグマンの考えでは,変動の大きい食品・エネルギーを除外したコア消費者物価指数に注目するのが大事なのは相変わらずだけれど,賃金みたいな価格が粘着的なものに注目するのがいっそう重要になるんだという.
- "Krugman Wonks Out: The Case for Supercore Inflation," New York Times, April 16, 2021.
全般的に消費が落ち込むふつうの景気後退とちがって,パンデミックでの景気後退では分野によってはげしく落ち込んだり逆に景況がよくなったりする.同様に,パンデミックからの景気回復も分野によるちがいが大きくなりそうだ.すると,とくに値上がりが著しい分野を見て「ほら見ろ,インフレがガンガン進んで来ちゃったじゃないか」とマクロ経済政策の引き締めを訴える声が出てくる.金融危機からの「大不況」でも,そういう声があった.そして…FRB は「そうはならない」と金融政策を維持したし,現に一部で言われたようなそんな激しいインフレにはならなかった.で,今回の景気回復でとりわけ注目すべきなのは,年に1回くらいしか企業が改定しない価格なんだとクルーグマンは言う.
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