2013年6月24日月曜日

先日のクルーグマン:「生産なき収益」(2013年6月20日付)

先日のクルーグマン:「生産なき収益」("Profits Without Production," New York Times, June 20, 2013)――いまの企業は投資からのリターンではなくてレントからの収益の比重がますます大きくなっているね,という話.

ハイライト [1]:50~60年代のジェネラルモーターズも市場支配の強い企業だったけど工場をたくさん所有し労働者をいっぱい雇用していた(農業以外の労働者の実に1%にのぼっていたという).

ハイライト [2]:他方,今日の市場支配力の大きな企業といえばアップルだけど,たっぷり収益をあげてキャッシュに埋もれていてもそんなに再投資には向かわないし,雇用する労働者も少ない(海外にアウトソースしてるってのもあるけれど,中国でだってそんなにたくさん雇用してるわけでもない).

ハイライト [3]:多くの経済学者が指摘するように,今日では,格差拡大は技能プレミアムの増加がものをいうって古い話は意義を失っている.所得分配は,賃金一般から収益へと急速に移行している.だいたい2000年頃からの話だ.

ハイライト [4]:市場を支配する独占企業はすっごく収益があがるけど,産出能力を拡大する投資を行う理由をもたない.これは賃金を押し下げるはたらきをもちうる.これは経済全体にとってマズイ効果になる.

ハイライト [5]:だからって,これは金融・財政政策のマクロ経済運営をガンガンやるべしって根拠を弱めるものじゃないけれど,それはそれとして,これは考えるべき論点だ.この話はまた後日のコラムで.――といった内容でした.まる.

あと,はずかしながら,このコラムではじめておぼえたフレーズ:"what the traffic will bear"「巻き上げられるかぎりの分(お金)」

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