2017年12月5日火曜日

「信用の可視化」(『消費資本主義!』の余白メモ)

ミラーせんせいは,クレジットスコア・信用格付けが堅実性の「メタ標示」になると考えている:
信用格付けは他人には直接参照できないし、知覚もできないけれど、購買力を大いに支えているため、もはやコレ抜きに中流のライフスタイルは成り立たない。よい信用なしに、車も住宅も手に入れられない。このため、そこそこの車や住宅を所有している人々は、間接的に立派な信用スコアを誇示している。それはつまり、堅実性を誇示しているということでもある。(『消費資本主義!』p.320)
いい車や住宅をもっている→それを購入できるだけの信用スコアがある→それだけの信用スコアを獲得できるくらい堅実である,というわけだ.



信用スコアは他人にはわからないけれど,それに相当するものが本人の意志で開示できるとしたら,どうなるんだろう?

中国では,「芝麻信用(セサミ・クレジット)」というのがあって,まさにそういうスコアを本人同意によってつくれるんだそうだ:


芝麻信用(セサミ・クレジット)とは、アントフィナンシャル社旗下の第三者信用調査機関が提供する個人と企業の信用状況を示す指数だ。2015年から始まった、まだ新しいサービスである。アリペイ・アプリからサービス開始を申し込むと、自分のスコアを簡単にチェックすることができる。スコアは最低で350点、最高で950点となる。「スコア公開」機能もあり、SNSなどを通じて第三者に自分の信用力をアピールできるようにもなっているのがユニークだ。
 このスコアはどのように算出されるのか? ネットショッピングや振り込み、決済などのアリババグループのエコシステムに関する取引記録と政府のオープンデータベースの2種類がある。後者については学歴や公共料金支払い記録に加え、「失信被執行人リスト」というデータベースも含まれる。(「「信用の可視化」で中国社会から不正が消える!?」)
すると,当然のごとく,配偶者獲得にも応用されるようになる:
ユーザーの拡大に伴い、芝麻信用の応用範囲は広がっている。中国の大手結婚仲介サイトの「百合網」や「世紀佳縁」はお見合い相手の芝麻信用スコアを表示するサービスを始めた。相手がうそをついていないか、スコアを見れば一目瞭然というわけだ。

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