2016年9月17日土曜日

a few は「2,3の」じゃないよ

中学校の導入でそう教わったままの人がたまにいるけれど,a few は全体のなかの「ごくひとにぎり」「ほんの一部」という割合を表す.次のごくふつうの用例を見てみよう.

昔の女性は幼いうちに結婚していたという一般化を導く議論について述べた文脈で:
Generalizations about larger sets of things require picking out a sample. We certainly cannot list all women in earlier times who married young. Instead, our argument must offer a few women as examples of the rest.
もっとたくさんのモノの集合について一般化するときには,標本を選び出す必要がある.もちろん,幼いうちに結婚した昔の女性すべてを列挙するわけにはいかない.そのかわりに、,この論証では一握りの女性を標本にして残りの女性たちの例に挙げなくてはいけない.
(A.Weston, A Rulebook for Arguments, 4th edition, p.11; イタリックは原文,太字は引用者)

ここでいう "a few women" は「2~3人の女性」じゃあない.ある時代の女性全体っていう標本のなかの「ほんの一握り」って意味だ.10人なのか,100人なのか,1000人なのか,それはわからないけれど,それぞれの時代の何百万,何千万,何億という女性全体にくらべれば1000人だって a few にちがいない.

このあたりの英文法については,久野暲・高見健一『謎解きの英文法:冠詞と名詞』がわりと平易に解説してくれている.

むかし書いたこのエントリも参照:「たかが some, たかが do――とな?

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