- 「『内閣改造を徹底分析!』(分析モード)」,Session-22,TBSラジオ,2014年09月03日(水);ポッドキャスト配信.
[32:25 - 34:47]
荻上:経済に関しては,こう,自信たっぷり自画自賛,「これからもこの路線を続けていきます,この道しかない」っていうことを,安倍内閣,発表していますけれども,飯田さん,いかがですか?
飯田:まあ,実際のところはですね,安倍内閣の経済政策で成功したの,金融緩和だけなんですよね.
荻上:「だけ」
飯田:ええ,で,実際はですね,金融緩和じたいは,ま,株と為替には明確に効きましたね.で,為替経由で企業業績にも効きましたね.
荻上:はいはい.
飯田:で,景気がよくなったって言いながら,まだ実を言うと,景気がよくなったときって,いちばん上といちばん下が潤うんです.これ,ずっと前からゆってた話なんですけど,資産価格が上がるから金持ちはもちろんうれしい.で,いま有効求人倍率,とくに地域差,今回はほとんどなく,全地域で改善してるので,失業するしないのせめぎ合いの人もトクをしている.ただ,真ん中がすっぽり抜けるんですね,この政策で.
荻上:はいはい.
飯田:で,これはやはり,金融緩和「だけ」ではなんともできなくて,金融緩和のなかで新しい投資がでてくるっていう流れが必要なのに,そこを行く前に,ちょっと消費税に走ってしまう――[走ってしま]いそうなところが心配ですから――
荻上:まだ脱デフレができてないのに,同時に消費税で,こう,アクセルとブレーキも同時に踏んでしまって――
飯田:そうなんですよ.
荻上:どうもブレーキの方が強いような感覚ありますよね
飯田:そうですよね.ですから,ま,たとえばですね,消費税,もしも不可避だとしたならば,しっかり対策する方法はあるんですね.
荻上:ええ.
飯田:ぼく,ずっとゆってるのは,社会保障費の,まあ3分の1カット,つまり1万5,500円の掛け金のうち,5,500円,3年間タダにしちゃいなさいよと.
荻上:はいはい.
飯田:そうしたら消費税負担増よりも得な層ってけっこういるはずなんです.ね?
荻上:うん.
飯田:そのぐらいの対策,だいたい――これだいたい3兆円くらい,1パーセント分くらいかかる,1パーセント強くらい,えー,財源必要なんですけれども,そういった対策を,早くとらないと,結局なんか一時的な支持率上げで,消費税上げて景気失速させて,「実は税収たいして増えませんでした,おわり」になってしまうと,経済再生も財政再建も失敗してしまう.そういったことがないように,ちょっとですね,えー,ぼくじしんは,もう少し金融緩和の徹底,そしてもう1つは,消費税増税やめるか,やるんだったら実効性のある対策,とくにやっぱりですね,社会保障費,一律でかかってますから,そこに対するなにか対応っていうのをとる必要があるんじゃないかと思いますね.
荻上:はい.
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