2014年9月5日金曜日

ラジオ書き起こし:TBSラジオ「Session-22:内閣改造を徹底分析!」:その1

ふだんポッドキャストでよく聞いてるラジオ番組に,TBSラジオの「Session-22」がある.先日は,安倍政権の改造内閣を取り上げていて,経済学者の飯田泰之せんせがスタジオゲストに登場していた.


以下,主に飯田せんせの発言を書き起こす.めんどいので,2回か3回にわけて掲載.(無駄に書き起こしてるけど,なにか特別に意義がある発言だと思ってるわけじゃないので,ご注意.)


[16:07 - 17:15]


飯田:実際,97~98年のときよりも,消費の落ち込みはげしいんですよね.で,もっとわるいと思うのが,あのー,メディアにでているタイプのエコノミストであったり,官僚出身のエコノミストとかが,こぞって「想定内です」と.で,ここまで,えー…,4月の自分の予想の倍以上落ち込んだのに,「想定内です」ってゆってるワケわかんないテレビコメンテイターとかいるわけなんですよ.あのー,で,彼ら――

荻上:たまってますね(笑)

飯田:――彼らの話をなぜ真に受けるかなぁ,と.で,実を言うとこの谷垣さんの「アベノミクスが失敗と受け取られる」〔という発言〕も,実際,首相就任まで安倍さんって消費税増税だいぶ批判的だったんですよね.なのに,なぜかアベノミクスのなかで安倍さんがやりたくないってゆってたことがアベノミクスの中心かのように *周りが* ゆってると.ここがなかなか難しいところで,やはりあの,まあ,谷垣さんもそうですし,石破さんも,ある意味ではポスト安倍を狙う立場なので,「長期政権こまる」って思ってるんだろうなってのが,透ける気もするんですよね.


[28:56 - 31:45]


荻上:飯田さん,この「女性活用」,「女性活躍推進」っていう点では,飯田さんどう思いますか?

飯田:いや,ぼく,たいへんいいと思いますよ.あの-,なによりも,すごくね,あのー,まあこれは,朝からのメディアを見ていてすごく気になるのは,あのー,安倍内閣で,安倍さんの意見に近い人が多いから「お友達内閣です」って言うのは,それはどういう意味の批判なのかなぁと.これ,安倍内閣なんですよね――

荻上:はいはい

飯田:――で,それで首相の考えと正反対の人ばっかり入れたら,それ政権として成り立たないでしょう.で,あのー,それであえて逆の方を入れると,今度は「派閥均衡内閣です」とかってわるぐち言うわけなんですね.で,あとー,女性の,あのー,登用についても,ぼく,今回,登用された女性についてはっきり言って言いたいことむっちゃくちゃたくさんあるんですよ.

荻上:それぞれについて

飯田:それぞれに関して,文句むちゃくちゃあるんですけども,まずですね,えー,ある程度しっかりと,ま,多少――たとえば,ぼくは,あのー,女性に対してアファーマティブ・アクションとっていいと思ってる方なので――

荻上:一定数は女性にしようっていうような

飯田:――で,それで,女性が活躍できる場があるんだってわかって,優秀な女性が政治を志していくっていう,まあ,できれば一歩にしてほしいと,

荻上:うん,ある意味では,安倍政権ですら5人いるんだからっていうのが今後効いてくる可能性は当然ありますね

飯田:そうそう.で,それこそ,安倍さんを批判してた,あの,まあ,他党でもいいですし,党内の他の勢力も,批判してたところよりも女性大臣比率低いっていうのは,もう,批判した段階でもうありえないっていう宣言を出したのとおんなじだと思うんですよね.

荻上:うん

飯田:ですから,あのー,まあうん(笑),今回いろいろ言いたいことはあっても,まあ,あの,ある程度,その,意図的に意識的に,その,まあ,3分の1くらい入れていく,そして,ゆくゆくは男女なんて関係ないよ,性別じゃないよ個性だよっていう社会に向かっていく第一歩にはなったのかなと

荻上:はい

飯田:で,これは,あの,保守系政権全体で言えることなんですけれども,意外と保守系の政権の方が,えー,リベラルな改革案って,通そうと思えば通っちゃうっていうところがあるんですよね.これはさっきの消費税の話でもそうだったんですけど――

荻上:まあ,相手のお株を奪うっていう意味でもそうですし,

飯田:そうなんですよ

荻上:あるいは安定政権だからこそ,長期安定化するためには,女性の意見もとらないといけない.安倍さんはどちらかっていうと,男性中年以上に人気がある政党ではあるんですけど,若い女性も取り込みたいという意識はあるんですかねぇ――

飯田:で,ある意味,現状だと,その,中高年または男性またはマッチョ層からの支持を失うっていうことは,安倍さんとしてはあまり考えづらい,他の代替的な投票先ないですから.ですから,もっと党勢を増していこう,または政権の支持を得ていこうと思うと,その,ややリベラル寄りのことっていうのを,出していくことで長期政権を目指していくって方向には行ってほしいなぁと思います.


▼「その2」に続きます.

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