2018年10月20日土曜日

what what

文法的にはなんにも異例なことはないごく普通の文だけど,戸惑う英語学習者さんもいるかな,と思った例:
Monmouth Coffee opened on Monmouth Street in London in 1978. It serves wonderful coffee and the queues often stretch out of the door. That is what makes what happened next so surprising. / What happened next was: nothing. Monmouth had few imitators, either upmarket or downmarket.
(Tim Harford, "Like great coffee, good ideas take time to percolate," Finantial Times, Feb. 2, 2018.) 
いちおう訳文を示しておくね:
マンモスコーヒーは1978年にマンモス通りに開店した.提供するコーヒーはすばらしく,行列がドアの外まであふれることもよくある.だからこそ,その後に起きたことはとても意外だった./ その後になにがおきたか:なにも起きなかったんだ.マンモスコーヒーを模倣する店はほとんどでなかった.高級市場,大衆市場,どちらでもだ.
こういう用例では,what 以下のフレーズが 'the thing(s) which ...' の名詞句と同等のものになっている (Michael Swan, Practical English Usage, 5th edition, Oxford University Press, 2016, p.236):

  • What she said made me angry. (主語)
  • I hope you're going to give me what I need. (目的語)
  • This is exactly what I wanted. (補語)
こういう what を「自由関係代名詞」という.
先行詞をそれ自身の中に含んでいる関係詞を複合関係詞 (compound relative) と言う.Huddleston & Pullum (2003) は,その意味で融合関係詞 (fused relative) と呼んでいる.生成文法では,先行詞がなくても存在できるという意味で,自由関係詞 (free relative) と呼ばれることが多い.(安藤貞雄『現代英文法講義』p.194; 太字強調は原文のもの)

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