3話までずっと映像の魅力を見せてくれてるアニメ『mono』.4話では,冒頭から3話までの映像となにやらひと味ちがう気配がする.
「なんか,ぐにょってる?」
いわゆる作画崩壊とはちがう.うまい人がくずした絵の感触がする.
(
霧山はかわいいな…)
どーれ,適当にキャプチャ画像を貼りながら見直してみようか
あっさりしたキャラ絵.ワイングラスの形状に合わせて,顔の輪郭がぐにょんと歪んでて,そこにお店の窓などが映り込んでいる.
遠くのキャラ2人がかんたん作画になっているのはわかるとして,それより手前にいる霧山のぐにょんとしてる感じやアンバランスな手のサイズ,「これは…いいのか?」 判断に迷う.でも,画面構成と背景がしっかりしてるので,これでいいんだろうという気がする.
(霧山はかわいいな…)
ここは,「あ,なんかいいな」と思ったカット.
(霧山はかわいいな…)
広角,カメラを下に配置して遠近感を強く出した画面で,ちょっとずつキャラを動かしては暗転を繰り返す印象的な場面.
猫の「大将」が右側から「ぬっ」と出てくる.お話としては,「ええ,大将こんなところにもいたの?」というびっくり要素.
おちり.
ワインでダメになっていく大人.ぐにょんぐにょんである.
ここでいったん,作中のアクションカメラで撮っているらしき映像に切り替わるのがとてもいい.ちょっとぐにょっていながらも,本来のキャラに近い描き方で,とても絶妙.そして地味によく動いてる.
そして再びぐにょんぐにょん.他のキャラ・背景との対比でこわれっぷりが際だってる.
お風呂シーン.3人が順に水鉄砲を撃って,3人目の敷島さんの水鉄砲がすごいよ,という場面.やや広角寄りで,遠近感を出しつつ,奥からの水鉄砲の迫力を見せる.
駄菓子屋.入り口からの光の差し加減がいい感じ.
コントラストが強く,日差しの厳しさを伝える.
(霧山はかわいいな…)
奥の部屋から出てくる春乃.
快適な部屋から一歩出てきましたよ,という絵であると同時に,きっちり描かれた足のアニメーションが映像としての伏線になっていて.
溶ける春乃.さっきのきっちり作画との対比で溶けっぷりが際立つ.
春乃が崩れ落ちて,向こう側の精緻な背景美術とややかんたん作画の人物にピントが移る.対比,対比.見せたいものが明確だなぁ.
(かんたん顔の霧山もかわいいな…)
ここのシーンも印象的だった:
最初から最後まで,4話もお話の面白さをどう演出するかという選択として,ぐにょんぐにょん作画が面白く使われたエピソードだった.