- 「新種のヒト属の化石、南アの洞窟で発見」AFP,2015年9月10日
- 「人類の仲間で最古級? 南アで化石発見」 47 NEWS,2015年9月11日
- 「アフリカで新種のヒト科動物の化石が発見される」Sputnik日本,2015年9月10日
今回の発見について,生物学者の PZ Myers が,「専門外ではあるが」と断りつつ,興味と疑義のバランスをとった文章を書いている:
- "Homo naledi," Pharyngula, September 10, 2015.
文章の後半で,Myers は次のような疑義を3点記している:
- 〔この発見を報告した〕研究者たちは,まだ標本の年代をつきとめてない! 推測すらない! 今回の発表はそれくらい予備的なわけだ.こういうわくわくする発見をできるだけ早く公表したくなる気持ちは,わからなくもない.ただ,この種を系統樹のどこに位置づけたらいいのか,ぼくには見当もつかない.300万年前だろうか,それとも,30万年前だろうか?
- 新しい種とされているんだよね? ぼくはいかなる点でもヒト進化の専門家じゃないけれど,今回のやつはホモ・エレクトゥスのパラメタ内に収まりそうに見える.著者たちも,ホモ・エレクトゥスに近似している点を注記してるけれど,それでいて,頭蓋骨に小さな独特の特徴があるとも主張してる.他の専門家たちからのさらなるインプットをみたいところだ.いつだって,新しい標本がでてくると,新種の名前を貼り付けたくなるものだ.ただ,今回のやつがホモ・エレクトゥスの1集団まるごとの遺物だという結果になっても,それはそれでわくわくする.
- あれこれとでているニュース記事は,どれも,これが儀礼的な埋葬地ではないかと想像をめぐらせて,ぼくらの祖先は予想よりずっと前から特定の文化的な営為をやっていたのではないかと記している.その時期については,なんとも言えない.というのも,この場所がどれくらい前のものなのかわかってないからだ.洞窟はきわめて出入りしにくい(ただ,洞窟が使われていた当時にどれほど出入りしやすかったのかは,わからないけど).また,なにより興味深いのは,ホモ・ナレディの骨だけが洞窟内で見つかったという点だ.このことから,ここがたんなるゴミ捨て場ではなかったか,あるいは動物の遺物が自然に洗い流されたのではないかとうかがい知れる.儀礼的な埋葬物という説明は筋が良さそうに思える.ただ,今回見つかったヒトたちの脳は,いずれもオレンジ程度の大きさだけど.
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