2015年9月20日日曜日

「iPhone とスマホ」:語義調節の一例?

ツイートしたネタをこっちにもメモっておく:


(東急ハンズ梅田店にて撮影;2015年9月18日)

もちろん iPhone もスマートフォンなのだけど,この例では iPhone を含まない語義に「スマホ」を解釈するしかない.

こうした語義の調節は,べつに例外的じゃあない.クルーズ『言語における意味』で,こんな例を挙げている:
食事中に,幼児のジョニーが手を使って肉をちぎっている.ポケットにはペンナイフがあるけれど,いまの場面に合ったナイフではない:
  • 母:Johnny, use your knife. ジョニー,ナイフをお使いなさい.
  • ジョニー:I haven't got one. 持ってないんだもん.
(p.133)

ジョニーはウソをついてるわけじゃない.ここでいう「ナイフ」は食事に使うようなナイフに限定されている.つまり,場面に応じて,ペンナイフを含むような上位範疇と,食事用に限定された下位範疇に切り替えて解釈できるわけだ.

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